今回はスマートコントラクトについてまとめていきます。
スマートコントラクトとは自動で契約をする技術
結論から言うと、スマートコントラクト(Smart Contract)とは、ネットワーク上で自動的に契約を行う仕組みのことです。
これだけだと、ただの用語説明でいまいち腑に落ちないと思うので、具体例を挙げながら解説していきますね。
自動販売機を例に
スマートコントラクトは、自動販売機によく例えられます。
自動販売機を使うとき、この↓ステップで使ってますよね。
- お金を入れる
- 商品を買う(ボタンを押す)
この手順が、
- 売る人:アクエリを150円で売ります
- 買う人:アクエリを150円で買います
というように、双方で条件(契約)を同意したかたち自動的になっています。
これがスマートコントラクトと同じ仕組みです。
コンビニの場合は?
一方で、コンビニで何か買うときを考えてみると
- 商品を取ってレジに持っていく
- 店員にお金を払う
- 店員が会計を済ます
- 商品が手に入る
という手順になって、間に人が入ってくるので、自動的とは言いません。
つまり、仲介者なしでプログラムで自動的に契約が成立するのがスマートコントラクト、とイメージするとわかりやすいかなと思います。
ビットコインにはない
ちなみに、ビットコインにはスマートコントラクトの仕組みはありません。
元々は1994年にNick Szabo(ニック・スザボ)という暗号学者によって提唱されたと言われています。
その後、イーサリアムの創業者Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブリテン)がイーサリアム上で完成させました。
スマートコントラクトのメリット
スマートコントラクトは、自動販売機のような自動契約の仕組みなので、人の手を必要としません。
なので、人件費を削減できて様々な面でコストカットできます。
サービスの利用者は、高い仲介手数料を支払わなくてよくなるかもしれません。
例えば、
- 不動産
- 銀行
- 証券
など仲介を生業とする業種は、スマートコントラクトの普及によって、淘汰されていく可能性もあります。
スマートコントラクトは、契約内容を自動的にブロックチェーン上に残せるので、権利者の所在を明確にできるメリットもあります。
金融業界では、すでにDefiのような仲介者を必要としない仕組みも出てきています。

スマートコントラクトのデメリット
スマートコントラクトは、
- 手数料の高騰・取引の遅延
- プライバシーの問題
- ハッキングリスク
などいくつかの問題を抱えています。
例えば、多くの人がイーサリアムを使うようになると、その分トランザクションが増えて、処理にかかるコストが増えていきます。
結果として、手数料の高騰や取引の遅延が発生する可能性があります。(=スケーラビリティ問題)
また、ブロックチェーンは誰にでも閲覧できる仕組みなので、改ざん・捏造が困難という一方で、取引内容を隠せないという面もあります。
他にも、スマートコントラクトは全てプログラムでできているので、ハッキングされるリスクもあります。
実際に過去には、イーサリアムがハッキングされて、億単位の金額が流出されたという事例もありました。
このような脆弱性も今後の課題の一つです。
スマートコントラクトとブロックチェーンの関係
スマートコントラクトは、ブロックチェーンの技術ありきの仕組みです。
ブロックチェーン上にスマートコントラクトが乗っかっているイメージですね。

ブロックチェーンは主に記録をする技術で、各ブロックには
- 取引したアドレス
- 取引した日時
- 取引数量
などの情報が入っています。
基本的には、契約内容を記載するスペースはなく、自動契約をするような仕組みありません。
なので、ブロックチェーンを使っているものが全てスマートコントラクトに対応しているわけではありません。
スマートコントラクトに対応している仮想通貨
スマートコントラクトに対応している仮想通貨はこちらです。
- ETH(イーサ)
- LSK(リスク)
- QTUM(クアンタム)
ETHとQTUMはbitbankやGMOコインなどの仮想通貨取引所で取り扱いがあります。
LSKを扱っているのはCoincheckとbitFlyerのみです。
